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2005.08.07

新潟市の非核都市宣言(案文)へ一言

新潟市が予定している非核平和に関する宣言の宣言文素案がまとまったとの事で、市のホームページにて意見の募集をしていたので、以下の通り送りました。
素案のままではいかがなものかな、というのが私の率直な感想です。意見の下に宣言文素案等も掲載しておきましたので一読ください。

以下、市に提出した意見


新潟市非核平和都市宣言、宣言文素案に対する意見


(はじめに・・・全般的印象)
宣言文素案には非常に美しい言葉が簡潔に並んでいると思います。しかし、作成に携われた方々には大変失礼かとは思いますが、一読して感じたことを率直に申し上げれば、結局は、核兵器を「持って良い国」と「持って悪い国」があることを前提としているのかなということです。
「核兵器の廃絶」という表現もありますが、「永遠のねがい」という表現で枕詞のようにサラッと触れただけという印象ですね。永遠に叶わない理想・究極の願いのように扱われている感じが強くします。
その一方で、ある特定の国を念頭に、核兵器の不拡散を強調、その事を宣言の中心テーマにしている印象を受けます。「核兵器の廃絶」という言葉は、「核兵器の不拡散」というテーマに対する修飾語のような位置関係のような印象がする文案と感じました。


(北東アジアの平和と核不拡散問題について)
「核抑止力論」(=核兵器によって平和が守られている)・・・日本はアメリカの核の傘によって守られている・・・ だから、“その均衡を破る、日本にとって仮想敵の国の核武装は脅威だ”、新潟市の非核都市宣言は、こうしたことをあえて言いたいのでしょうか・・・・?
決してそんな趣旨ではないのですよね??

もちろん、私も、北朝鮮について言えば、一般市民の拉致という、個人に対しては最悪の人権侵害、日本という国家に対しては最悪の国家主権侵害を行い、そうした国家犯罪を正していないとんでもない不法国家であると思います。まして、懇談会委員の横田滋さんにとっては、ご自分のかわいい娘さんが理不尽にもこの新潟市で拉致され、いまだ彼の国に連れ去られたままであり、そのお気持ちはいかばかりのものかと思うと、考えも及ばないものがあります。しかし、拉致問題、人権問題は、非核都市宣言の中に盛り込むというより、別途宣言すべき事柄であると考えます。(この問題に文素案が直接触れている訳ではありませんが、この問題を案文作成の立脚点の一つとして起草されているのではないでしょうか?)

“日本海を「平和の海に」”と言うのであれば(このテーマは大賛成です)、現に存在するアメリカの核、ロシアの核、(直接日本海に面してはいませんが近郊にある)中国の核、これら既存の核体制にまず目を向けるべきであると思います。北東アジアを非核地帯にするという流れの中で・・・ (名指しをしなくとも)
そうした前提の上で、北朝鮮による核保有問題を位置づけ、核拡散を否定するべきであると考えます。
文案でも「海のむこうは友なる国ぐに」と述べています(この言葉も大賛成です)。そうであればこそ、自らを一方の側に置き、仮想敵を作っていると誤解されうるような立場を取るべきではないと考えます。
 
 付け加えるなら、核不拡散という概念自体、NPT条約がそうであるように、5つの大国による核兵器保有を前提としつつ、その他の国への核拡散を防止するという、ある意味、特権的な不十分性を持つものであるということを忘れるべきではないと考えます。
核兵器廃絶をきちんと位置づけつつ核不拡散を主張するのと、核兵器廃絶は理想としつつ(結局は既存の核体制は認めつつ)核不拡散を主張するのでは、似て非なるものであるということです。


(宣言の中心軸に核兵器廃絶を)
 また、非核都市宣言は、もっと唯一の被爆国である日本の立場と、新潟市もその中の一都市である事を深く自覚しつつ位置づけて、全世界の人々に普遍的に訴えかけられるものとすべきであると思います。その上で、原爆投下候補地でもあり、また現在、緊張関係にある日本海に臨む都市である、新潟市の独自性を出すべきであると考えます。
すなわち、全ての核兵器は人類の生存にとって脅威であり、核戦争は人類全体を滅ぼしかねない事であること。故に核兵器の廃絶を現実的な課題として、全人類と全ての国々の力を結集して行わなくてはならない。この事を宣言の中心にもっと据えるべきです。

重ねて申し上げたいのですが、非核都市宣言の根幹は、唯一の被爆国としての立場に基づく、核兵器廃絶であるべきと考えます。ぜひ、パグウォッシュ会議で示されている精神や、広島市長、長崎市長による毎年の平和宣言などの精神を、新潟市の非核都市宣言の精神としてほしいと思います。

現状では、「非核平和都市宣言」ではなく、「核不拡散平和都市宣言」になっているように思いますし、あえて申し上げれば「北朝鮮への核拡散反対都市宣言」と言われても仕方ない内容であると思います。


<補足>(新潟が原爆投下候補地であった事と関連して)
宣言素案では、新潟市が広島、長崎に次ぐ第三の原爆投下予定地であったと述べています。第三のという事が断定的に。
確かに新潟市は、投下予定地になったことがあり、広島、長崎への原爆投下後に、市民が避難したという事実もあります。しかし、現実は、市民が避難したころは、既に新潟市はテニアン島から遠いとの理由から投下予定地からは外されていたと聞きます。そして候補地から外されたのは、他の候補都市よりも比較的早かったとの説を聞いた事もあります。小倉などの方がまだ候補地として残っていたのではないでしょうか。京都など他の投下候補地との比較で、新潟市がどういう位置にあったかまでは、私はわかりません。しかし、少なくとも新潟がNO.3の都市であったと言い切ることはできないのではないでしょうか?
新潟市が、原爆投下予定地であり、「新潟がカラになった日」があったという歴史的事実を踏まえて、非核平和宣言をすることは非常に意義が深く大切な事であると思いますが、いま少し、原爆投下と新潟の関係を歴史的に精査・検証して、宣言に盛り込む事が必要なのではないかと思います。

※以上の事を踏まえて具体的にお願いしたい事

1.宣言の副題「-北東アジアの平和のために,核不拡散を願って-」を取る事
    副題をもしどうしても付けるのであれば、「核兵器廃絶と北東アジアの平和のために」とか「日本海を平和の海に、新潟市民の願い」とか「海のむこうは友なる国ぐに、日本海を平和の海に」などとしたほうが良いと思います。

2.宣言文第三節は、核兵器廃絶を中心軸として位置づけた文章に補強・変更する事

3.第六節にも核兵器廃絶を明記しつつその上で非核都市宣言を行う事

4.第二節の「第三の原爆投下予定地」の表現はより精査し、修正する事

提出意見、以上


以下、市の示した宣言文素案

<非核平和に関する宣言文素案>

新潟市非核平和都市宣言
 -北東アジアの平和のために,核不拡散を願って-


わたしたちのまち新潟市。
日本海に面した湊町,実り豊かな田園地帯。
水と緑に恵まれた魅力ある国際都市。
今,市町村合併によって新・新潟市が誕生し,
本州初の「日本海政令市」を目指す。

先の大戦で,新潟市は,尊い生命や貴重な財産を失った。
新潟市は,広島・長崎に次ぐ第三の原爆投下予定地だった。
あれから60年。
私たちは,現在の私たちの暮らしが,戦争による多くの方々の尊い犠牲の上に成り立っ
ていることを忘れてはならない。そのことを後世に伝えていかなければならない。

核兵器の廃絶。世界の恒久平和。これが,私たちの永遠の願い。
しかし,いまだに世界各地で紛争が絶えず,飢餓,貧困,差別,人権侵害,環境破壊,・・・・,
私たちの平和な暮らしを脅かすものが,世界に満ちている。
北東アジアでも緊張関係が続いている。核兵器の脅威がますます強まっている。
私たちは,核兵器の不拡散を強く訴える。

私たちの安心で安全な暮らしを脅かす全てのものを無くすこと。
地球上の全ての人々が,平和で豊かな暮らしを送ること。
地球全体が,共生互恵関係を築き,ともに繁栄発展すること。
それが,私たちの願い。世界の人々の願い。
私たちは,そのために不断の努力を重ねていく。

海のむこうは,友となる国ぐに。
私たちは,世界の平和のかけ橋となる。
子供たちの未来のために。
北東アジアの人々が手をとりあって,
日本海を「平和の海」に!

市町村合併による新市誕生の記念すべき年に,
核不拡散を願い,
環日本海の拠点都市として, 
北東アジアをはじめ広く世界に向けて,
新潟市が非核平和都市であることをここに宣言する。

 2005年  月  日        新 潟 市

以上、宣言文素案

※(参考)市が宣言文素案作成にあたり意見を聞いた“有識者”
「非核平和を考える新潟市懇談会」懇談会委員名簿(敬称略)

伊豆見 元  静岡県立大学 国際関係学部教授
遠藤 健一  新潟県原爆被爆者の会 前会長
小山 厚子 「はばたけ21の会」幹事
三浦 真 NPO法人 新潟国際ボランティアセンター(NVC)代表
三橋 郁雄 (財)環日本海経済研究所(ERINA)特別研究員
矢田 俊文 北九州市立大学学長(九州大学名誉教授)
横田 滋 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表
若月 章 県立新潟女子短期大学 国際教養学科教授
渡部 貢 非核新津市民の会 事務局長

2回会議が開かれたとの事です。次回会議は8/19との事。

なお、意見募集は8/15まで、次のアドレスまたはFAX、郵便で受け付けているとの事です。新潟市民はもちろん新潟市民以外の方も是非意見を送ってみてはいかがでしょうか。

新潟市総務局総務部総務課総務係
Eメール   somu@city.niigata.lg.jp
〒951-8550 新潟市学校町通1番町602-1 新潟市役所
電話   025-228-1000(内線2119)
FAX   025-228-5500

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